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「つうしん」No.6

民事訴訟第1回口頭弁論
被告 強制労働や虐待を一切否定

 12月3日、津山二葉園の元園児5人が原告となって、元指導員と社会福祉法人菜花の里を相手に損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が岡山地方裁判所(小野木等裁判長)で開かれました。被告側は答弁書で次のように陳述し原告の訴えを否定しました。

★紙袋作りについて
 子供たちが「ファミコンやCD、ラジカセを購入するために、アルバイトがしたい」と言ったので、園でできるアルバイトとして実施された自主的なアルバイトであった。誰が、どの程度働くかは、子供たちの自主的な判断に任されていた。「強制的に内職させられていた」「ノルマが決められていた」との事実はない。売上から必要経費を差し引いたものをすべて子供らが自主的に管理し、配分を行っており、「対価はない」との事実はない。

★パン作りについて

 自主的なアルバイトだった。パン製造は正社員が行い、子供たちは専ら販売業務だった。アルバイト代は当然支払われていた。

★体罰やその他人権侵害について 一切ない。

 裁判が終わって、弁護士会館で経過報告集会が開かれました。川崎弁護士から、県や児童相談所の資料提出を求める手続きを進め、賃金の具体的な管理方法について被告に釈明を求めていくと、これからの方針について説明がありました。
 わざわざ千葉から傍聴に駆けつけてくださった「恩寵園の子供たちを支える会」「施設内虐待を許さない会」の代表の浦島さんは「原告の言葉は影響力がある。当事者が声を出さないと、世論は動かない。二葉園の訴訟を支援する。連帯して、施設内虐待をなくしていこう」と話されました。

 傍聴した二人の原告が「自主的なアルバイトではなかった」「毎日、パン作りをし、過労で倒れたこともあった」と挨拶すると、参加者から大きな拍手が起こりました。

 当日は大勢の人で傍聴席は埋まりました。そして、引き続いての集会にも参加していただき、皆様、本当にありがとうございました。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

コメント

* 予想はしていましたが、被告は全面否認。強気の姿勢デス。
* 傍聴人が多いのは社会の関心が高いということ。何よりも原告にとって嬉しかったのではないでしょうか。

別枠記事
 最近、津山の二つの知的障害者の施設で虐待が発覚した。理事長の謝罪と第三者機関の設置、職員の研修をするというコメントがあった。しかし、それだけで十分だろうか。恩寵園には、現在、年間延べ700人以上のボランティアが関わっているそうだ。
 密室の虐待をなくすには、風通しをよくすることが一番効果的だと思う。地域の住民がボランティアとして常時出入りできる、あるいは、いつでも見学もできる施設にすることが虐待防止につながると思うが、どうだろう。

津山養護施設虐待訴訟で被告側
無償の労働強制否定〜〜岡山地裁・口頭弁論

 津山市の児童養護施設の元入所者5人が、施設の元指導員男性=40代=に虐待や無償の労働を強制されたとして、男性と施設を運営する社会福祉法人などに1人1,100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、岡山地裁(小野木等裁判長)であり、被告側は「労働は子供の自主的なアルバイト」などとする答弁書を陳述、争う姿勢を見せた。

 答弁書で、被告側は「紙袋やパンづくりへの参加は自主的判断にゆだねられていた。賃金は当然支払われ、子供が管理していた」などと無償の労働強制を否定。男性による体罰は「暴力を加えた事実は一切存在しない」とした。

 原告側は、児童相談所の調査結果に反するとして、県や児童相談所の資料提出を求める手続きを進め,賃金の具体的な管理方法について被告に釈明を求める方針。 報告者注・・・元指導員男性=津山二葉園元指導員・水島氏。なおこの裁判では、津山二葉園を運営する社会福祉法人のほか、水島氏が代表を務める製パン・販売業者も被告となっております。

メッセージ 裁判を傍聴して

弁護士・高崎和美(掲載者注・当事件の原告側代理人のうちのお1人です)
 東京の訴訟を支援している浦島さん、岡山の米橋さん(私です。掲載者注)に会えたこと、そしてたくさんの支援者に来てもらったことがとても嬉しかった。みなさんそれぞれに何か強く思うところがあって来てくださっていることが分かるだけに感激でした。施設内で何があったのか、なぜ起きたのかを、原告と共にしっかり解明していこうと思います。それから二葉縁の「今」の実態もこのみんなの目で注目することが大切だと感じています。

 今回の訴訟に至る最初にきっかけを作ってくれた脱出児童たちの願いは「残っている子供たち、これから入所する子供たちが安心して暮らせるように」ということであったはずです。そして、そのためには職員が安心して働ける職場になっているかどうかも注目していかなくてはなりません。強い思いの皆さん、共に考え、行動していきましょう。

CAP岡山連絡会 K.I

 34号法廷の傍聴席はいっぱいだった。CAPの仲間もたくさん来てくれた。初回の裁判はあっという間に終り、そのまま弁護士会館へ移動して報告集会へ。千葉から来てくださった「施設内虐待を許さない会」の浦島さんの「虐待派(虐待を奨励する)の施設長がいるところでは、職員もしつけと愛情を混同し、初めは平手だったものが、こぶしになり、足で蹴る、竹刀、金属バット・・・というように暴力がエスカレートしていく。施設は家庭と同じく密室なので歯止めが効かなくなる」というお話を聴きながら各地で施設内虐待が起こっていることを痛感させられた。今回裁判に訴えた卒園生の勇気を応援したい。残念ながら刑事裁判では不起訴になってしまったが、検察審査会への不服申立が受理されることを祈りたいし、民事裁判で一人一人の尊厳を回復してほしいと思う。

 次回もきっと傍聴に行きますね。

被害者サポートセンターおかやま CC

 民事訴訟を提訴してから初公判(筆者注・原文ママ、以下当表記略)が開かれるまで本当に長かったけれど、やっと始まりました。期待や不安が入り混じった中、初公判には思った以上の人が傍聴に来て下さっていて驚きました。
 傍聴に来てくださった方の多くは、刑事裁判も民事裁判も普通に生活していく上では、決して関わったり、触れたりしたことがほとんどない方だと思います。でも現実の裁判というのは、一般の方々には理解できない形やペースで進んでいくのでかなり厳しいものがあります。そんな中で当事者はいろいろな思いや憤り、不安などで潰れそうになったり、又、周りから聞こえてくる色々な声に傷ついたり、そんなことの繰り返しの中で過していきます。これから長い闘いが始まります。私も自分に出来る範囲で、出来る限り協力させて頂こうと思います。どうか支えて下さろうとしている方々には、気長に、目に見えない部分でも彼らを支援し続けてあげてほしいと思います。

2月12日(木)に第2回口頭弁論が行われます。
時間:13時半〜
場所:岡山地裁31号ラウンド

閉廷後、地裁の待合室で簡単な経過報告説明会を開く予定だそうです。

★ 浦島さんたちは、施設内虐待を許さない運動の先駆的な役割を果たしてこられたと思う。現在、関東地区の施設では、子供に手を上げないことが定着してきているそうだ。これは運動の成果だ。人生を奪われた子どもたちを知れば知る程、深みにはまったと話された浦島さんは、今回、二人の原告に会ったことがとてもうれしかったと言われました。

★原告のT君は去年11月に「支える会」発足の新聞記事を見て、電話をかけてきた。電話をかけるまで、1週間迷ったと、先日話してくれた。当事者にとって一歩踏み出すことがどんなに困難なことか。私たちは想像もつかないが、彼は大きな一歩を踏み出した。改めて電話をかけてくれて、本当にありがとう!

★2003年も、もう終わります。皆さんお世話になりました。来年もよろしく!  
          (IZU)

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