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「つうしん」No.7

《 二葉園児童酷使損害賠償請求訴訟 》

原告:卒園生5名
被告:社会福祉法人菜花の里(代理人弁護士光成卓明)
   水島徳丈(代理人弁護士則武透)

有限会社アールエイチコーポレーション(代理人弁護士則武透)
                                2004年2月24日
                経過報告 1
                                  高崎和美

☆第1回期日 平成15年12月3日 第1回口頭弁論

  ※口頭弁論:公開で行なわれる出席当事者による口頭の裁判期日。

 ・行なわれたこと

 @訴状の陳述(訴状を読み上げたことにした)
 A被告菜花の里が答弁書を陳述(読み上げたことにした)
 B被告水島と被告R・Hが答弁書を擬制陳述(出席したことにして、答弁書を読み上げたことにした)

 ・裁判所から出された宿題

  [原告側]

  @被告への求釈明事項をまとめて出す。

   ※求釈明:相手に対してきちんと説明せよと要求すること。
        例えば、「子どもたちが自主的にやったというなら、具体的にどうやって?」         など。

  A関係機関への調査嘱託事項をまとめて出す。

   ※調査嘱託:裁判で証明するために必要な情報を持っている機関・団体があるときに、     裁判所が必要と判断して、裁判所からその団体に、調査して回答するよう依頼する     こと。

  B答弁書に対して、具体的に主張する。

  [被告側]
   具体的事実について、認否および反論を2月6日までに出す。
   ※認否:「そのとおり」と認めるか、「違う」と否認するかを答えること。

☆第2回期日 平成16年2月12日 第1回弁論準備手続

  ※弁論準備手続:口頭弁論の準備。丸机を囲んでざっくばらんに論点を整理する手続。  ・行なわれたこと

  原告側が2月5日準備書面(求釈明事項)を陳述。
  調査嘱託は採用され、2月27日までに回答が来る予定であることが説明された。
  ※採用:証明のために必要と判断して裁判所から調査依頼すると決めること。

 ・裁判所からの宿題

 [被告側]原告の求釈明に対する答えも含めてきちんと主張する書面を3月12日までに提出
      する。

 [原告側]調査嘱託の回答が到着したらその回答をもとに主張の書面を出す。

【要するに…】

  原告側が準備を進めて訴状として具体的な事実を突きつけた。
  しかし、被告側は認めたくないばかりか具体的な記録もあまりなくて、へたに反論する
 と嘘をついていることがバレルおそれがあり、反論を引き伸ばしつついろいろな証拠が
 出てくるのを待っていると思われる。

  原告側としては動かぬ証拠をできるだけ出すとともに、「違うというのならそちらで
 説明してその証拠を出せ」と主張していくしかない。

★ATTENTION

 児童相談所には、子どもたちが駆け込み、訴えた時の記録や、児相が二葉園をその都度
 対応していたのであれば、それらの記録があるはずです。又、2002年5月、県は菜花の
 里に対して改善勧告を出していますが、その原本となった資料も当然あると考えられ
 ます。裁判所の命令によって県や児相がすべての資料を出すのか。
 関心を持って見守りましょう!

《 真実 Vol.1 》  原告 Tさん

 その日の朝、園中の騒がしさで目を覚ました。瞬間、時計の示す数字を疑った。『AM6:20』。慌てて飛び起きた時だった。全身からスーッと血の気が引いてゆくのがわかった。「やっとか……」。ぽつりと呟いた。それには理由があった。3日程前から前兆は表れていた。自分の体のことだから自分が1番よく知っている。

食欲は日ごとになくなり、何をするにしても意欲が出ない。

何回も吐いたりもしたが嘔吐物の全ては胃液だけという状態が続いていた。全ては自分の“計算”だった。全てはこの為に…。“逃げる”為に…!

 立つのがやっとの状態で、パン屋のユニフォームに着替え、学校の制服を鞄につめこみ、フラフラする体をなんとか堪えながら、階段を降り、外に出た。徳丈はすでに車の中にいた。すれ違いざまに同級生のYが言った。「大丈夫か?顔色悪いぞ…?」。僕は声にならない声で「…うん」と言い残し、車に乗った。

 僕の体調の事を知ってか知らずか、運転する徳丈はいつもより無口だった。徳丈の経営するパン屋は車で5分程度の距離にある。パン屋に到着するなり徳丈は10分程で二葉園に戻って行った。僕も自分の『仕事場』であるサンドイッチルームへ入り、いつものようにサンドイッチを作った。具材は“卵、ツナ、ポテトサラダ、ハム、チーズ、レタスにトマト、きゅうり”である。ほかにもハンバーガーや、ホットドッグなども作った。客が来れば接客もした。レジの横には大きな鏡がある。そこに映った自分の顔を見た瞬間、僕はぞっとした。自分の顔色が想像以上に悪かったからだ。人はよく『青白い』という表現を使うが、そんなものではなかった。真っ白だったのだ。

血の気など微塵も感じられない。こんな体でよく動けるものだと変に感心したのをよく覚えている。

 当時、高校3年生だった僕は、毎朝8時になれば登校していた。この日も同じように店を後にした。おぼつかない足取りで学校近くの運動公園まで来たとき、それは訪れた。
 サラリーマンや学生達が通りすぎる中で、僕は太陽を見上げた。
(もういいや…)

目の前が急に暗くなり糸が切れた操り人形のように僕は…。

 今回から原告のTさんが二葉園の体験を連載されます。感想をお聞かせください。
また、3月24日の傍聴と、その後の例会のご参加をよろしくお願いします。

                             (発行者:和泉)

【 第3回口頭弁論 】

   3月24日(水)11:00〜   岡山地裁 31号ラウンド

   終わり次第、弁護士会館2階ホワイエで岡山定例会を行います。13時まで。
   これからは、定例会を津山と岡山で交互に開きます。
   岡山の支援者の皆さん、ぜひご参加ください。

【支える会 交流会】

   4月11日(日)
    岡山市半田山植物園  11時  入口に集合
   
   花を見ながら、会員・元在園生たちとの交流をしませんか。
   お弁当や飲み物は各自で用意してくださいね。

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