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「つうしん」No.18

明けましておめでとうございます。
支援者の皆さま、いつもありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

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次回裁判は2月28日(水)10:30〜16:40
岡山地裁34号法廷(当初の日程1月24日が延期になっています)
被告の証言です。皆さま傍聴をよろしくお願いいたします。
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津山二葉園裁判経過報告
                               弁護士 高碕和美

1 10月11日の法廷の様子

 2006年8月30日のMさん、Yくん、THくんに続き、10月11日にTくん、Hくんが原告本人尋問に答えました。

 この日は、原告5人が初めて全員法廷に出席できた初めての日でした。先に証言した3人に見守られて、二人は堂々と証言しました。

 Tくんは、平成6年ころからパン屋で仕事をさせられ、高校生2,3の間、早朝からクルマでパン屋に連れて行かれて登校前まで働き、下校後は店に直行して 夜7時ころの閉店までの接客と、その後の片づけまでしていた様子を詳細に証言しました。

 これに対して、被告代理人から詳細な反対尋問がありましたが、それによって、Tくんの証言の正しさがかえって明らかになった場面もありました。たとえば、惣菜パンの注文が大量にあってそのために徹夜をしたという証言に対して、被告代理人から、そんなに大量のパンが本当に焼けるのかとか、サンドイッチは具をチューブから出して塗るだけではないかなどと質問がありましたが、これに対して、実際に、パンを焼き上げ、それを半分に切って、いくつかの具材を入れていく作業を述べて、質問者を黙らせました。

 Hくんは、長い在園生活の中から体験したこと、とくに園での生活がいやになって飛び出したときのこと、園に戻って殴られたことなどをしっかり述べました。また、それまでに証言していた原告たちが殴られたり、怒鳴られたりしていた状況も証言しました。

 Hくんの証言の中で、内職と暴力暴言を受ける毎日でストレスがたまり、一時は、男子高校生が数人相談して、実際に被告水島徳丈氏を殺害しようとまで真剣に考えていたことも明らかになりました。  傍聴席ではこのようなひどいことが実際になされていたこと、そしてそれが被害者の声としてきちんと証言されたことを、確認していただけたと思います。

2 次の裁判日程

 10月11日の段階で、いったん1月に被告水島徳丈氏の本人尋問を予定しましたが、裁判所の都合で、2月28日午前10時30分から4時40分までに延期されました。

 被告側は、徹底的に反論したいからもっと時間をたくさんほしいと言いましたが、裁判長は「余り長く反論しても同じでしょう」と言って、1日の予定となりました。

3 その後の動き

 1月10日、Hくんが平成8年の4月に脱出した際、中央児童相談所に届けてあった録音テープの反訳書を裁判所に証拠提出しました。

 これは、テープの状態がわるくて、コピーしたテープでは内容が聞き取れないため、原本のテープから聞き取って書いたものです。

 約40分にわたる録音は、何かのきっかけで集会が行われ、その中で被告水島徳丈氏が、声を時々張り上げたり、怒鳴ったり、何かをバンバンとたたいたりしながら、Hくんに「頭悪いのお」「働けえ」などと叱り続ける様子がわかるものでした。物音の中には物を叩いているというよりは人の顔をたたいているのではないかとおもわせる音も入っていました。

今後、このテープがどのように評価されるかも注目したいと思います。

4 2月28日(水)の傍聴をお願いします。
 いよいよ被告本人の尋問です。加害者がどのようなことを考え、行動していたのか、きちんと大勢で見極めたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

原告本人尋問を終えて

【 原告 T 】
『極めて高い壁を乗り越えた』
 
 正直な気持ちです。どうなることかと緊張もしたし、恐怖心もありました。しかし、支援してくれている皆さん、特に同じ経験をしてきた原告達の力強い後押しが何よりの励みとなり、何とか乗り切ることができました。本当にありがとうございました。被告サイドの弁護士からの尋問が始まった時に、高崎弁護士がペットボトルのお茶を証言席(?)まで持ってきてくれました。怒りと恐怖心で震える身体を落ち着かせることができました。証人尋問を終えた今、僕はもう昔の僕ではなく、恐怖心を植え付けられた被告を見ても今なら何ともないだろう。嘘で嘘を固める被告…水島徳丈。被告が悠然と行ってきたこれまでの許しがたき横暴。僕は負けない強い意志を見つけた。それは自分の中にあると、他の原告達に教えられた。『二葉園にいたときに持っていたはずだ』

 僕はそれを再び見つけることができた。自分の弱さが本当の敵だということもわかった。来年の二月には被告の尋問が始まる。戦いはこれからだ。皆さん、今まで以上の応援をよろしくお願いします。
【 弁護士 川崎政宏 】

原告本人尋問が無事終わりました。

5人の原告は、それぞれがきちんと思いを言葉にすることができたと感じます。
言葉にしなければ、何事もなかったかのように社会から忘れ去られてしまう事実ばかりでした。
自分たちの生きてきた時間、存在そのものを問うているようでした。
まだ被告本人尋問はこれからです。
皆様の支援をお願いいたします。

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《 原告のみなさんへ 》
                             和泉富美子
 原告のみなさん、本当にお疲れさまでしたね。
当事者として声をあげ、裁判を起したことが、
どれほど大変だったか……

 この4年間、思い出したくない過去と向き合い
忘れかけていた記憶を呼び覚ましては、気が滅入る作業を繰り返してきたね。
裁判は時間がかかりすぎて、宙ぶらりんな状態も長かったね。
途中で、原告をやめようかと迷ったこともあったと思う。
みんな仕事をしながら、各々の生活を抱えながらの裁判だもの。

 でも、ここまでやってこられたのは、二葉園在園中から今日までの十数年間、みんな胸の奥に
「いつか、事実を明らかにしたい」という想いが生き続けていたからだと思うよ。

 だって、何度も殴られても、何かが変わるかも知れないと、かすかな願いを
込めて、SOSの手紙を11通も児童相談所へ送ったよね。

 命がけで隠し撮りした内職の作業現場の写真や録音テープを強制労働や虐待の
証拠として児童相談所へ届けたよね。
悔しいことに、何も変わらなかった……。
やっと10年近く経って、手紙や写真、テープは立派な証拠として、よみ返ったね。

 念ずれば花開くというけれど、みんなの想いは半分、叶ったね。
事実が明らかにされて……。
みんなの一言一言が事実を明らかにして……。

 支援している私たちが、あなたたちの証言に、どんなに感動したか、そして
あなたたちをどんなに誇りに思っているか、知ってほしい。 

 裁判はまだ終っていないけど、これからも、いくつか大きな山場を迎えるかも
しれないけれど、私たちはいつもあなたたちのそばに居ることを忘れないでね。

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支える会岡山例会

 2月3日(土)12:00〜15:00
 岡山市きらめきプラザ
 原告たちや支援者の交流会です。
 参加希望の方は和泉までお知らせください。

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「津山二葉園の子どもたちを支える会」
 年会費 1000円
 郵便振替口座番号

    01310−9−9751
    「津山二葉園の子どもたちを支える会」宛

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